乾燥肌の改善におすすめの食べ物とは?避けるべきNGな食べ物も紹介
肌のカサつきや粉ふき、化粧のりの悪さに悩んでいませんか?乾燥肌は複数の要因が重なって起こるため、スキンケアの方法だけでなく、食生活や栄養バランス、生活環境や体調の変化なども影響します。肌は毎日の食事の影響も受けるので、外側からの保湿ケアと同じくらい「内側からのインナーケア」も大切です。本記事では、乾燥肌の改善に役立つ栄養素と食材、逆に避けたい食べ物や食習慣を紹介します。
01乾燥肌に食べ物によるインナーケアが大切な理由
乾燥肌の原因は、外気の乾燥や紫外線、洗顔・スキンケアの影響だけではありません。実は、体の内側の栄養バランスが大きく関係しています。私たちの肌は、日々の食事から摂った栄養素によって作られており、外側からのケアだけでは根本的な改善にはつながりにくいのです。
肌の土台となるのは「細胞」であり、その細胞の新陳代謝(ターンオーバー)をスムーズに行うためには、タンパク質、ビタミン、ミネラル、脂質などの栄養素が欠かせません。
たとえば、タンパク質は肌やコラーゲンの主成分となり、ビタミンAやビタミンC、Eは皮膚の再生を促しながら酸化ダメージを防ぎます。
また、オメガ3脂肪酸などの良質な脂質は、肌の水分を保つバリア機能を強化します。
これらの栄養が不足すると、肌のターンオーバーが乱れ、角層に十分なうるおいを保持できなくなり、カサつきや粉ふき、くすみといった乾燥サインが現れます。逆に、バランスの取れた食事を心がけることで、内側から皮膚の細胞の働きを整え、うるおいを維持する力を高めることができます。
乾燥肌と食べ物の関係性
肌が乾燥する根本的な原因のひとつは、皮膚の細胞ターンオーバーと保湿機能が栄養不足によって低下することにあります。
肌は外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されています。
また、表皮は外側から順に「角層(かくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」で構成されており、中でも乾燥に深く関わるのが「角層」です。
角層には水分を保持する「天然保湿因子(NMF)」や「セラミド」が存在し、これらがバリアのように外からの刺激や乾燥を防いでいます。
しかし、食事からの栄養が不足すると、これらの成分をつくる材料が足りなくなります。たとえば、タンパク質が不足すると、皮膚の細胞やコラーゲンの生成が滞り、細胞の密度が低下することで、水分保持力が損なわれてしまいます。また、ビタミンB群が欠けると皮脂分泌のバランスが崩れ、ビタミンAや亜鉛が不足すると皮膚のターンオーバーが遅れて古い角質が残りやすくなります。
その結果、肌の水分量が減少し、乾燥してしまいます。
02乾燥肌の改善におすすめの9つの栄養素と食材
乾燥肌を改善するためには、スキンケアだけでなく、肌のうるおいを支える栄養素をしっかりと摂取することが欠かせません。肌のハリや保湿力をつくる細胞や皮脂膜、コラーゲンなどは、食べたものからつくられるためです。ここでは、乾燥肌の改善に効果的な9つの栄養素と、それぞれを多く含む食材を紹介します。各栄養素の「乾燥肌への効果」と「多く含む食材」をセットで理解し、内側からうるおう食生活を意識しましょう。
ビタミンA
ビタミンAは、乾燥肌対策には欠かせない栄養素です。肌の角層を健康に保ち、うるおいを閉じ込めるバリア機能を整える働きがあります。また、皮膚や粘膜の再生を促進し、ターンオーバーを正常に保つことで、カサつきや粉ふき、ひび割れを防ぎます。
ビタミンAが不足すると、角質が厚くなってゴワついたり、皮脂の分泌が減って乾燥が進むこともあります。
ビタミンAを多く含む食材には、レバー(豚・鶏・牛)やうなぎ、卵黄、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などがあります。
ビタミンAは脂溶性で油と一緒に摂ると吸収が高まるため、にんじんとほうれん草をオリーブオイルで炒めるソテーや、うなぎの蒲焼丼、レバニラ炒めなどがおすすめです。
ビタミンB群
ビタミンB群は、肌の代謝を促進し、ターンオーバーを整える栄養素です。特にビタミンB2とビタミンB6は皮脂の分泌をコントロールし、肌の炎症や乾燥、かゆみを防ぐ働きがあります。これらが不足すると、肌があれやすくなり、口元や頬などの乾燥・ひび割れが目立つようになります。
また、ビタミンB1はエネルギー代謝をサポートし、肌細胞の再生を助けます。ビタミンB群は水溶性のため体内に蓄積しにくく、毎日少しずつ摂取することが大切です。
多く含む食材には、豚肉、レバー、卵、納豆、まぐろ、アーモンド、玄米などがあります。豚しゃぶサラダと玄米ごはんを組み合わせる、または納豆まぐろ丼など、複数のB群を同時に摂れる食事が理想的です。
ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲン生成を助けて肌のハリを保つと同時に、抗酸化作用によって紫外線ダメージや老化による乾燥を防ぐ栄養素です。また、メラニンの生成を抑える作用もあるため、シミやくすみを防ぎながら透明感のある肌づくりに役立ちます。
不足すると、コラーゲン合成がうまくいかず、肌の弾力が失われて乾燥を招いたり小じわができやすくなったりします。
ビタミンCを多く含む食材は、赤・黄ピーマン、ブロッコリー、キウイ、いちご、柑橘類(みかん・レモンなど)、じゃがいもなどです。熱に弱く水に溶けやすい性質があるため、キウイやいちごのヨーグルトサラダのように生で摂る、またはブロッコリーを茹でずに蒸して食べるなど、調理法を工夫することで効率的に摂取できます。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用を持ち、血行を促進して肌のすみずみに栄養を届ける役割を果たします。ターンオーバーが促され、結果として乾燥やくすみなどが起こりにくくなります。
多く含まれる食材は、アーモンド、ひまわり油、アボカド、かぼちゃ、うなぎ、サーモンなどです。脂溶性のため油と一緒に摂ると吸収率が高まります。たとえば、かぼちゃを調理する際に、ソテーにしたり、オリーブオイルと和えたりしましょう。
タンパク質
タンパク質は、肌・髪・爪などをつくる細胞そのものの材料です。
特にダイエット中や朝食を抜く習慣がある人は、タンパク質不足になりやすいため注意が必要です。
良質なタンパク質を含む食材には、鶏むね肉、卵、大豆製品(豆腐・納豆・豆乳)、魚(鮭・まぐろ・さば)、乳製品(ヨーグルト・チーズ)があります。植物性と動物性をバランスよく摂ることで、吸収効率が高まります。
豆腐入りの鮭の味噌汁や、納豆と卵を組み合わせた朝食などがおすすめです。
必須脂肪酸
必須脂肪酸は、肌をまもる皮脂の生成に必要なものです。不足すると、角質がめくれやすくなったり、肌のバリアが壊れて外的刺激を受けやすくなります。油分を避けすぎるダイエットや偏った食生活では、乾燥が悪化することもあります。
必須脂肪酸を多く含む食材は、青魚(さば、さんま、いわし)、亜麻仁油、えごま油、アボカド、くるみなどです。熱に弱い性質があるため、亜麻仁油やえごま油は加熱せず、サラダやスープの仕上げにかけて摂るのがおすすめです。
一方、良質な脂質であっても摂り過ぎは肌や体に悪影響を与えることもあります。
・揚げ物を減らして青魚の良質な油を摂り入れる
・ごま油から亜麻仁油に置き換える
など脂質の量と質の両面からの見直しも必要です。
亜鉛
亜鉛は、タンパク質の合成に関わる酵素の材料となるターンオーバーに欠かせないミネラルです。不足すると、肌あれ、乾燥、にきび、傷の治りが遅くなるなど、さまざまなトラブルを引き起こします。
特にストレスやアルコールの摂取で消費されやすいため、意識的な補給が必要です。
亜鉛を多く含む食材には、牡蠣、牛赤身肉、レバー、卵、納豆、ごま、ナッツ類などがあります。植物性食品の吸収率は低いため、動物性食品と組み合わせるのが効果的です。たとえば、牡蠣とほうれん草のグラタンや、牛赤身肉とごまの炒め物などがあります。
マグネシウム
マグネシウムは、体内に広く存在するミネラルで、タンパク質合成やエネルギー産生、神経・筋肉の正常な働きの維持などに関わっています。
肌においては、細胞内のイオンバランスに関与し、皮膚のバリア機能を支えるため、乾燥によるごわつきや肌のコンディションが気になる場合に意識したい栄養素の1つとされています。
マグネシウムはほうれん草などの葉物野菜、豆類、ナッツ、種子、全粒穀物などに含まれます。特にかぼちゃの種、アーモンド、黒豆、玄米などは比較的含有量が高いため、意識して食事に取り入れたいところです。
食物繊維
食物繊維は、腸内環境を整えて肌トラブルの原因となる老廃物を排出する働きがあります。
食物繊維には大きく分けて不溶性と水溶性があり、どちらも腸内環境を整えるうえで重要な役割を持っています。不溶性食物繊維は成熟した野菜などに多く含まれ、ボソボソ・ザラザラとした食感が特徴で、穀類や豆類、野菜、キノコ類、果物、海藻、さらにはエビやカニの殻にも含まれています。
繊維が水分を吸収して大きく膨らむため、腸を刺激して蠕動運動を促し、便通を改善する効果があります。また、よく噛んで食べる必要があるため、食べ過ぎ防止や顎の発育にもつながり、歯並びの形成にも寄与します。
一方、水溶性食物繊維にはネバネバしたタイプとサラサラしたタイプがあり、昆布やわかめ、果物、こんにゃくいも、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれています。粘りによって胃腸内をゆっくり移動するため満腹感が持続し、食後血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。
03乾燥肌の人が気を付けたい食事のポイント
乾燥肌を改善するには、栄養バランスの取れた食事でうるおいを与えることが大切ですが、反対に、肌の乾燥やバリア機能の低下を招く食べ物・食習慣もあります。特に、脂質や糖質の摂りすぎ、加工食品中心の食生活は、肌の水分保持力を下げる原因になります。ここでは、乾燥肌の人が注意したい代表的な食習慣を紹介します。
ファストフードとお菓子を控える
ファストフードやスナック菓子、
「安価な洋菓子」または「大量生産型の洋菓子」などには、質の悪い脂質(トランス脂肪酸など)や過剰な塩分、白砂糖が多く含まれています。
これらの摂り過ぎは、体内の炎症を引き起こしやすくするほか、肌のバリア機能を低下させる要因にもなります。
また、このような食品を中心とした食生活では、肌の再生や保湿に欠かせないビタミンB群やビタミンC、亜鉛、鉄分などの栄養素が不足しがちです。美肌を維持するためには、手軽さだけで食事を選ぶのではなく、栄養バランスを意識した食習慣を心がけることが大切です。
栄養バランス良く色々な食材を食べるようにする
肌の健康を支えるためには、タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維など、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることが欠かせません。特定の食品ばかりを食べると、特定の栄養素に偏り、ターンオーバーが滞る原因にもなります。
日々の食事では、一度に多くの食材を取り入れる工夫をしましょう。たとえば、具材の種類が多いスープや炒め物、サラダなどを選ぶことで、自然と栄養バランスが整います。
食卓に色とりどりの食材が並ぶよう意識することが、内側から肌を健やかに保つために大切です。
04毎日の食事で乾燥肌対策を!
乾燥肌を改善するためには、スキンケアだけでなく食べ物で肌を育てる意識が欠かせません。ビタミンA・B・C・E、タンパク質、亜鉛、マグネシウム、食物繊維、必須脂肪酸などをバランスよく摂ることで、肌のターンオーバーが整い、うるおいを保つ力が高まります。反対に、ファストフードやお菓子などを摂りすぎると、栄養バランスが崩れて肌のバリア機能が低下してしまいます。
今日から食事を変えて、健康な肌を目指してみましょう。
