顔の乾燥・皮むけの原因と対策。今すぐできる正しいスキンケアとNG行動
顔の皮むけや乾燥は、多くの人が日常的に悩む肌トラブルですが、原因は「乾燥」だけではありません。バリア機能の低下、ターンオーバーの乱れ、間違ったスキンケア、生活習慣の乱れなど、複数の要因が重なることで皮むけは起こります。
本記事では、これら4つの主要な原因をわかりやすく整理するとともに、皮むけを悪化させるNG行動から、今日から実践できる正しいスキンケア・生活改善まで、具体的な対策について解説します。
01乾燥だけではない4つの皮むけの要因
顔の皮むけは「乾燥のせい」と思われがちですが、実際にはそれだけでは説明できません。肌の生まれ変わりであるターンオーバーの乱れ、誤ったスキンケアによる刺激、紫外線や摩擦といった外的ダメージ、さらには睡眠・食事・ストレスなどの生活習慣まで、複数の要因が重なって起こるものです。
この章では、乾燥を中心としつつも、皮むけを引き起こす4つの主要な原因を解説します。
肌の乾燥とバリア機能の低下
肌の乾燥は、多くの人が経験する身近なトラブルですが、その根本には「バリア機能の低下」という明確なメカニズムがあります。
私たちの皮膚は外側から順に表皮・真皮・皮下組織で成り立っています。また、最も外側にある表皮は外側から順に角層、顆粒層、有棘層、基底層で構成されています。
角層は、角質細胞がミルフィーユ状に規則正しく重なり、そのすき間をセラミドなどの「角質細胞間脂質」が埋めることで、外からの刺激を防ぎながら内部の水分を保つ壁の役割を果たします。
また、皮脂や天然保湿因子(アミノ酸・ミネラルなど)も角層をうるおし、乾燥しない状態を保つために欠かせない成分です。
ところが、空気の乾燥、洗いすぎ、紫外線刺激、加齢などさまざまな要因によって、皮脂や角質細胞間脂質が減少すると、この壁は一気にもろくなります。角層に十分なうるおいがない状態では、肌表面の細胞がめくれ上がりやすくなり、細かなすき間が生じます。
その結果、皮膚のバリア機能が弱まり、本来なら入ってこないはずのアレルゲンや細菌・ウイルスが侵入しやすくなるだけでなく、内部の水分が蒸発してしまいます。こうした悪循環が続くと、肌はカサつき、かゆみ、赤み、ひび割れのような症状を引き起こし、さらに乾燥が進むことで皮がむけるようになります。
「ターンオーバー」の乱れ
ターンオーバーは、基底層で生まれた細胞が徐々に角層へと押し上げられ、最終的に垢として自然に剥がれるまでの肌の生まれ変わりの仕組みです。乾燥・摩擦・紫外線・炎症などの刺激によって表皮が傷つくと、ターンオーバーが乱れ細胞が未熟なまま角層に送り出されるため、表面が薄く、むけやすい状態になります。
間違ったスキンケアや物理的な刺激
間違ったスキンケアや外部からの物理的刺激は、肌のバリア機能を弱らせ、皮むけを引き起こす代表的な原因です。洗顔時に熱いお湯を使うと必要な皮脂まで流れてしまい、肌のうるおいが奪われやすくなります。ゴシゴシこするような洗顔や、強いクレンジング剤・洗浄力の高い洗顔料を使う習慣も、角層に負担がかかり、肌表面が傷つきやすくなります。
こうしたダメージを受けた状態では、天然保湿因子(NMF)が十分に働けず、水分を十分に保持できません。その結果、乾燥が進行して皮がめくれやすくなり、さらに刺激を受けやすい敏感な状態になるという悪循環が起こります。
また、日常的な摩擦も皮むけの原因です。マスクによるこすれ、服や髪による摩擦、枕との接触などは、角層を物理的に削り、乾燥や炎症を起こしやすくします。
紫外線も大きな刺激要因で、過度に日差しを浴びると表皮の細胞がダメージを受け、皮むけが起こりやすいサンバーン状態になります。ダメージを受けた肌は細胞を急いで入れ替えようとするため、ターンオーバーが過剰に早まり、角質が未成熟なまま表面に押し出され、結果として皮むけやごわつきが生じます。
生活習慣的要因
食事・睡眠・ストレスなどの生活習慣は、肌のターンオーバーや血行に大きく影響します。これらが乱れると肌の生まれ変わりがスムーズに進まず、乾燥や皮むけにつながります。
睡眠が不規則になると、肌の修復に関わる成長ホルモンが十分に分泌されず、ターンオーバーが乱れやすくなります。栄養が偏ると、肌の代謝に必要なビタミンB群やミネラルが不足し、乾燥や肌あれが起こりやすくなります。
ストレスは自律神経を乱し、肌の再生サイクルを不安定にします。過度なダイエットも栄養不足を招くため、乾燥や皮むけの原因です。
02顔の皮むけは病気の可能性も

顔の皮むけは、乾燥や摩擦など日常的な原因で起こることが多い一方で、実は「病気」が隠れているケースもあります。
ここでは、乾燥による皮むけと見分けがつきにくい3つの代表的な皮膚疾患(脂漏性皮膚炎・接触皮膚炎・アトピー性皮膚炎)についてわかりやすく解説します。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い部位に生じやすい慢性的な皮膚炎で、顔(Tゾーン、眉まわり、鼻まわり)、頭皮、生え際、耳まわりなどに起こるのが特徴です。
皮脂とマラセチア(皮膚常在菌)のバランスが崩れることで炎症が起こり、赤み・皮むけ・べたつき・細かいフケ状のカサつきが同時に現れます。皮むけは白っぽい粉状の場合もあれば、黄色みのある湿ったフケが出る場合もあり、症状が強いとフケが固まり、かさぶた状になることもあります。
接触皮膚炎
接触皮膚炎(かぶれ)は、皮膚に触れた物質が刺激となったり、アレルギー反応を引き起こしたりすることで生じる炎症です。刺激の強さや体質によって症状の程度はさまざまですが、一般的には赤み・かゆみ・湿疹・ヒリつきが現れ、場合によっては小さな水ぶくれや皮むけが起こることもあります。
原因となる物質は、化粧品・医薬品・洗剤・金属・植物・マスクや衣類の繊維など多岐にわたります。皮むけは、炎症を受けた角層がダメージを受け、バリア機能が低下した結果として生じます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、アレルギーを起こしやすい体質や、もともと皮膚のバリア機能が弱い人に多くみられる慢性的な皮膚炎です。
症状は湿疹とかゆみが基本で、良くなったり悪化したりを繰り返すのが特徴です。皮膚はカサカサして赤みを帯び、ささくれや白い粉のような皮むけが目立つことがあります。悪化すると盛り上がりやただれを伴い、皮がむけて落ちたり、引っかき傷が残ったりする場合もあります。
03今すぐやめて!皮むけを悪化させる3つのNG行動
皮むけが起きている肌は、すでにバリア機能が弱り、とてもデリケートな状態です。何気ない行動でも症状を悪化させてしまうことがあるため、以下の3つを今日から見直すことが大切です。
皮を無理に剥がす・こする
めくれかけの皮を指で引っ張ったりこすったりすると、まだ剥がれる準備ができていない角質まで一緒にはがれてしまいます。これは肌表面に傷をつけ、バリア機能をさらに低下させる原因になります。
結果としてしみる・ヒリつくなどの刺激症状が悪化し、治りも遅くなってしまうため、どんなに気になっても自分では剥がさないことが鉄則です。
洗浄力の強いクレンジング・洗顔料を使う
スクラブ入り・オイルクレンジング・強い洗浄力の洗顔料は、汚れだけでなく肌に必要な皮脂や天然保湿因子(NMF)まで洗い流してしまいます。
これにより乾燥が進み、角質がめくれやすくなって皮むけの悪化につながります。皮むけがある時は、低刺激・保湿タイプのクレンジングや洗顔料を使い、こすらずとにかくやさしく洗うことが重要です。
熱いお湯での洗顔
40℃以上のお湯は、肌をまもる皮脂膜や保湿成分を一気に奪ってしまい、乾燥・つっぱり・皮むけを悪化させます。皮膚科でも推奨されるのは、32〜34℃程度のぬるま湯です。
04顔の皮むけを改善する正しいスキンケア3ステップ
顔の皮むけを落ち着かせるためには、むやみにこすったり保湿をなんとなく行ったりするではなく、肌のバリア機能をまもりながらケアすることが何より大切です。とくに乾燥や刺激で弱った肌は、洗い方・保湿の仕方・日中の保護といった基本的なステップを見直すだけで、回復のスピードが大きく変わります。
ここでは、皮むけの改善に直結する「洗う」「うるおす」「まもる」の3つのステップを、今日から実践できる方法としてわかりやすく解説します。
05【洗う】うるおいをまもるクレンジング・洗顔料の選び方と洗い方

顔の皮むけを改善するための最初のステップは、「必要なうるおいをまもりながら汚れだけを落とす」正しい洗顔です。乾燥や刺激で弱った肌はバリア機能が低下しているため、強い洗浄力や摩擦が加わると、皮むけがさらに悪化してしまいます。
クレンジングは保湿成分を含むタイプを選ぶことが基本で、乾燥しやすい肌にはクレンジングクリーム・ミルク・ジェル(水性タイプ)が適しています。
さらに重要なのが洗顔料の選び方です。皮むけがあるときは、下記のような低刺激の保湿系洗顔料を選びましょう。
● アミノ酸系洗浄成分
● 弱酸性
● 保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなど)
スクラブ入り、ピーリング系、メントール配合の洗顔料、皮脂を強く落とすさっぱりタイプは、角質をさらに削る原因になるため避けましょう。
洗顔時は「こすらず、なでるように」は基本です。摩擦は皮むけの悪化要因なので、指先を肌に押しつけず、泡で汚れを浮かせるイメージで行いましょう。洗うお湯は32〜34℃のぬるま湯が基本です。
【うるおす】徹底保湿!バリア機能を高める成分とアイテムの使い方
皮むけ改善の中心となるのは「保湿」です。乾燥している肌は角層が乱れ、バリア機能が弱くなっている状態です。そのため、バリア機能を補いながら水分をしっかり抱え込む成分を取り入れる必要があります。
推奨される成分は下記のとおりです。
● ヘパリン類似物質
● セラミド(特にヒト型セラミド)
● ヒアルロン酸/加水分解ヒアルロン酸
● アミノ酸系保湿成分
保湿剤は、洗顔後すぐに「手のひらで包み込むように」顔全体へなじませます。化粧水だけでは水分が蒸発しやすいため、化粧水→乳液→クリームの順で油分を重ね、うるおいを逃さないようにしましょう。
【まもる】日中の紫外線や刺激から肌を保護する方法
皮むけを改善するには、昼間の「ダメージを増やさないこと」も欠かせません。乾燥肌は外部刺激に弱いため、紫外線や摩擦から肌をまもる対策が必要です。
まず、肌の表面を保護するためにワセリンなどの保護膜を作るアイテムを活用しましょう。うるおいを保持した状態で油分を重ねると、刺激を受けにくい肌環境が整います。
紫外線対策も重要で、日焼け止めは適量を使うことが必須です。顔の場合は下記の量が目安です。
● クリームタイプ:パール粒2個分
● 液状タイプ:1円硬貨2枚分
また、日焼け止めは2〜3時間ごとの塗り直しで効果を維持できます。顔だけでなく、デコルテや首など光が当たりやすい部分にも忘れずに塗りましょう。
06皮むけを改善する4つの生活習慣
皮むけを「繰り返さない」ためには、スキンケアだけでなく、日々の生活習慣を整えることも欠かせません。ここでは、今日から取り入れられる4つの生活習慣を紹介します。
適切な湿度(50〜60%)のコントロール
乾燥した環境にいると、角質から水分が奪われ、肌がめくれやすくなります。湿度50〜60%の空間を維持することで、肌のうるおいが逃げにくくなります。
加湿器がない場合でも、簡単な工夫で湿度を補うことができます。濡れタオルや洗濯物を室内に干す、入浴後にお風呂のドアを開けて湿気を部屋へ逃がす、カーテンに軽く霧吹きをするなどが効果的です。
規則正しい生活リズムと質の高い睡眠の確保
ターンオーバーは睡眠中にもっとも活発に行われるため、良質な睡眠は皮むけの改善に直結します。大切なのは「何時間寝たか」よりも「眠りの質」です。
快適に眠るためのポイントは、寝室を静かで暗く、適温に保つことです。就寝前はスマホ操作を控え、落ち着ける習慣(軽いストレッチ、音楽、読書など)を入眠サインとして使うと睡眠の質が高まりやすくなります。
バリア機能維持に必要な栄養素と食事の摂り方
皮膚は食べたもので作られるため、栄養が偏るとターンオーバーが乱れ、皮むけやすい状態になります。
特に意識したい栄養素は以下のとおりです。
| 栄養素 | 働き・効果 | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 皮膚・爪・髪の材料となる。不足すると乾燥・小じわ・バリア機能低下を招く。 | 肉、魚、卵、大豆製品(納豆・豆腐・味噌)、乳製品 |
| ビタミンA | 角質の再生を助け、肌のうるおいを保つ。乾燥・ごわつき改善に重要。 | にんじん、ほうれん草、レバー、うなぎ、海苔 |
| ビタミンB群 | 皮脂バランスを整え、肌あれ・ニキビを防ぐ。ターンオーバー促進に関与。 | 納豆、卵、うなぎ、海藻、豚肉、玄米 |
| ビタミンE | 抗酸化作用が強く、紫外線ダメージや老化から肌をまもる。血行促進にも関与。 | ナッツ類、植物油(ごま油・オリーブオイル)、カボチャ、赤ピーマン |
| オメガ3脂肪酸 | バリア機能を高め、炎症を抑える。乾燥や赤み対策に有効。 | サバ、イワシ、えごま油、亜麻仁油、鮭 |
| 食物繊維 | 腸内環境を整え、肌コンディションを間接的に改善。便秘による肌あれ予防にも。 | 海藻、果物、ごぼう、玄米、こんにゃく、れんこん |
上記の食材を毎日の食事にバランスよく取り入れましょう。
07ストレス管理と適度な運動習慣のメリット
ストレスは自律神経のバランスを乱し、血行不良やホルモン分泌の変化を引き起こすことで、肌のターンオーバーに悪影響を与えます。自律神経が乱れると血管が収縮し、肌への栄養供給が滞りやすくなり、結果として乾燥・皮むけ・赤みといったトラブルが繰り返されやすくなります。
この悪循環を断ち切るために効果的なのが、軽い運動とストレス管理です。ウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、筋肉のポンプ作用で血流を改善し、ターンオーバーを整える助けになります。また、運動にはストレスホルモンを減らし、気分を安定させる作用もあり、肌の調子を底上げする効果が期待できます。
激しい運動をする必要はなく、1日15〜20分の散歩、ゆっくりしたヨガ、深呼吸を取り入れたストレッチなどの「軽い負荷」で十分です。
08皮膚科を受診した方がよい皮むけの症状の目安
顔の皮むけは、正しいスキンケアや生活習慣の見直しで改善するケースも多い一方で、自己判断では限界がある場合があります。「この状態は病院へ行くべき?」と迷いやすいポイントについて、受診の目安を示していきます。
「赤み」「かゆみ」「痛み」が強い場合
皮むけに加えて強い赤み・かゆみ・ヒリつき・痛みがある場合は、単なる乾燥ではなく炎症が起きている可能性が高く、早めの皮膚科受診が必要です。炎症を放置すると悪化し、色素沈着や湿疹化につながることもあるため、自己ケアを続けるより受診を優先するべき状態です。
症状が改善しない場合
正しいセルフケア(NG行動をやめる・保湿の徹底・刺激を避ける)を5〜6日ほど継続しても改善がみられないときは、ケア方法が肌に合っていないか、そもそも乾燥以外の原因(脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎など)が隠れている可能性があります。
改善の兆しがないまま自己判断を続けると悪化するリスクがあるため、数日改善しない場合も受診しましょう。
09なめらかで健やかな肌を取り戻すために
顔の皮むけは、乾燥だけでなく、バリア機能の低下、ターンオーバーの乱れ、外的刺激、生活習慣など複数の要因が絡み合って起こります。
そのため改善には、「正しい洗い方でまもる」「保湿で立て直す」「紫外線から防ぐ」という基本のスキンケアに加え、湿度・睡眠・食事・ストレス管理といった生活面の見直しが欠かせません。
毎日の小さな積み重ねによって肌の回復力を高め、トラブルを繰り返しにくい肌を目指しましょう。